気付かないうちに発症しているケースが多い歯周病は、日頃から予防しておく必要があります。
歯周病の発症を防ぐには、どのような方法をとれば良いのでしょうか。また、食事によって予防することは可能なのでしょうか。
今回は、歯周病の予防方法について解説します。
食べてはいけないものや積極的に摂取したい栄養素、食事以外の注意点もご紹介しますので、口腔内の健康を維持したいという方はぜひご一読ください。
食事で歯周病を予防できる?
食事によって歯周病の発症を完全に防ぐことはできませんが、発症リスクを低下させることは可能です。
歯と歯茎の間で細菌が繁殖し、菌から排出された毒素によって歯茎に炎症が起こる病気が「歯周病」です。
細菌の繁殖を抑えることができれば、歯周病の発症リスクは低下するでしょう。
健康的な食事をとることで免疫力が高まり、細菌の繁殖が抑制されます。
歯周病の発症を抑えたい場合には、バランスの整った食事をとり、細菌の増殖を促すような食べ物は避けることが大切です。
歯周病予防のために食べてはいけないもの
食べるものによって、歯周病の発症リスクが高まってしまうことがあります。
発症を抑えるためには、どのような食べ物や飲み物を避ける必要があるのでしょうか。
歯周病予防の観点から、食べてはいけないものをご紹介します。
歯周病菌を増やすもの
歯周病菌は磨き残しをエサに繁殖するため、プラーク(歯垢)を形成しやすい食べ物は避ける必要があります。
糖分を含む食べ物や、歯に付着しやすい食べ物は、磨き残しが発生しやすいので口にしないように注意しましょう。
歯周病菌が増える原因となる主な食べ物は、以下の通りです。
- ・チョコレート
- ・キャンディー
- ・キャラメル
- ・クッキー
食べ物はもちろん、糖分が含まれる飲み物にも注意が必要です。
甘い清涼飲料水や砂糖を加えたコーヒー・紅茶を口にした際には、すぐにセルフケアを行ってください。
免疫力を低下させるもの
細菌やウイルスから体を守る「免疫力」が低下すると、細菌が繁殖して歯周病を発症しやすくなります。
体の免疫システムが機能しにくくなると、歯周病だけでなくむし歯を発症したり、全身疾患を引き起こしたりすることもあるので、十分に注意しましょう。
免疫力低下の原因となる主な食べ物は、以下の通りです。
- ・ファストフード
- ・ポテトチップス
- ・アルコール類
食べ物の他にも、喫煙やストレスによって免疫力が低下してしまうこともあります。
喫煙は唾液の分泌を抑えて口腔内の乾燥も招くので、タバコの本数を減らして禁煙を目指しましょう。
炎症を促進するもの
歯茎に慢性的な炎症が起こっている状態にあるのが、歯周病です。
歯周病を予防したり、症状を緩和したりするためには、炎症を促進するような食べ物は避ける必要があります。
歯茎の炎症を促進させる主な食べ物は、以下の通りです。
- ・加工食品
- ・アルコール類
- ・清涼飲料水
上記の他にも、辛いものや熱いものを口にすると、刺激を受けて炎症が促進されることがあります。
また、刺激によって歯茎が傷付くこともあるので、辛みの強い食べ物や熱いスープなども避けた方が良いといえるでしょう。
歯周病予防のために摂取したい栄養素
食べてはいけないものについてご紹介しましたが、反対に食べた方が良いものも存在します。
歯周病予防のために、積極的に摂取したい栄養素も併せてご紹介します。
①カルシウム
骨粗しょう症を発症すると、歯や骨がもろくなって歯周病リスクが高まってしまうので、しっかりと「カルシウム」を摂取することが大切です。
カルシウムには、歯を支える骨(歯槽骨)の健康を維持する働きがあります。
歯周病を発症すると重症化する可能性が高くなってしまうので、カルシウムが不足しないように注意しましょう。
カルシウムを多く含む代表的な食品は、以下の通りです。
- ・魚介類(煮干し・しらす・サバ・カキ)
- ・乳製品(チーズ・牛乳・ヨーグルト)
- ・豆類(豆腐・納豆・枝豆)
- ・野菜類(しそ・モロヘイヤ・小松菜・ケール)
②食物繊維
唾液の分泌を促す「食物繊維」を摂取することも、歯周病の予防に有効です。
食物繊維を含む食品は、口にすると噛む回数が増えるため、唾液の分泌が促進されます。
唾液には、口腔内の食べかすやプラークを洗い流す「自浄作用」や、細菌の繁殖を抑制する「抗菌作用」があるので、歯周病予防に役立つでしょう。
食物繊維を多く含む代表的な食品は、以下の通りです。
- ・穀類(玄米・押麦・オートミール)
- ・豆類(大豆・えんどう豆・あずき)
- ・野菜類(モロヘイヤ・さつまいも・ごぼう・れんこん)
- ・キノコ類(椎茸・舞茸・しめじ・えのき)
③ビタミンC
コラーゲン繊維を修復する働きを持つ「ビタミンC」を摂取することも、歯周病予防に効果的です。
歯や歯茎、歯を支える骨は、それぞれが「コラーゲン繊維」によって結びついています。
しかし、歯周病を発症するとコラーゲン繊維が破壊されて、出血や炎症が起こります。
ビタミンCには、壊れてしまったコラーゲン繊維を修復する働きがあるので、積極的に摂取しましょう。
ビタミンCを多く含む代表的な食品は、以下の通りです。
- ・野菜類(パプリカ・ブロッコリー・芽キャベツ・かぼちゃ)
- ・果実類(アセロラ・キウイフルーツ・レモン・イチゴ)
④乳酸菌
口腔内の細菌のバランスを整える「乳酸菌」もまた、歯周病予防のために積極的に摂取したい栄養素の一つです。
口腔内にはさまざまな細菌が存在していますが、体に悪い影響をもたらす有害な細菌ばかりではなく、体に良い影響をもたらす有益な細菌も含まれています。
それぞれの細菌バランスを整えて、有害な細菌の増加を抑制する働きを持つ栄養素が「乳酸菌」です。
歯周病やむし歯の発症を防ぐためにも、積極的に乳酸菌を摂取しましょう。
乳酸菌を含む代表的な食品は、以下の通りです。
- ・発酵食品(ヨーグルト・チーズ・漬物・味噌)
⑤茶カテキン
抗菌作用や抗酸化作用を持つ「茶カテキン」も、歯周病予防のために摂取したい栄養素の一つです。
ポリフェノールの一種である茶カテキンには、歯周病菌やむし歯菌の繁殖を抑える効果が期待できます。
また、プラークの発生を抑制する効果も期待できるので、積極的に摂取しましょう。
茶カテキンが豊富に含まれる代表的な食品は、以下の通りです。
- ・茶類(緑茶・ほうじ茶・抹茶・紅茶)
- ・果実類(りんご・なし)
食事以外で注意したいポイント
選択する食べ物によって、歯周病の発症リスクを低下させることが可能です。
しかし、食べ物だけで完全に予防することは難しいといえるでしょう。
最後に、食事以外で、歯周病予防のために注意したいポイントをいくつかご紹介します。
セルフケアを徹底する
食事を終えた後には、必ずセルフケアを行いましょう。
歯周病は、プラークや歯石で細菌が繁殖することによって発症するため、歯や歯茎の汚れをこまめに除去しなければなりません。
特に、糖分や酸を多く含む食事を口にした後には、入念にセルフケアを行いましょう。
歯ブラシはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスといったアイテムも活用して、歯間や歯と歯茎の間の汚れも除去してください。
こまめに水分を摂取する
口腔内が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなるので、こまめに水分を摂取するように心がけましょう。
うるおいを維持するためには、1日に1.5~2リットル程度の水分を摂取することが理想です。
一度にまとめて摂取するのではなく、こまめに摂取して口腔内の乾燥を防ぎましょう。
また、食事中に水分を摂取することも大切です。
食べ物の残りを洗い流す効果が期待できるので、特に糖分や酸が多く含まれる食事を口にした後には、積極的に水分を摂取してください。
定期的に歯科検診を受ける
歯周病の発症を抑えたいという方は、定期的に歯科医院で検診を受けましょう。
セルフケアに力を入れていても、気付かないうちに磨き残しが発生していることがあります。
歯科医院では、専用の器具を用いてプラークや歯石を除去してもらえます。
また、正しいブラッシング方法も指導してもらえるので、3ヵ月から半年に1回を目安に定期検診を受けると良いでしょう。
定期検診を受けることで、歯周病はもちろん、むし歯の発症や噛み合わせのズレなど、口腔内のトラブルにいち早く気付くことができます。
歯周病に関するご相談はティコニーデンタルオフィスへ
一度発症してしまうと完治が難しいのが、歯周病です。
歯周病を発症しないように、食べてはいけないものを避けて、口腔内の健康を維持しましょう。
歯周病を発症していないか心配だという方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。
当院では、日本歯周病学会認定医である院長が、基本治療をはじめとした適切な治療方法で歯周病の改善に努めます。
関連ページ:認定医 院長 西について
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