歯の痛み

2024.05.07

歯肉炎と歯周炎の違いとは?歯周病の症状や原因、治療方法や放置するリスクについて解説

歯周病の歯肉炎と歯周炎の違いについて解説

国内でも発症する方が多い口腔内のトラブルが、「歯周病」です。

歯茎の腫れや赤み、痛みが歯周病の主な症状ですが、歯周病の他にも、「歯肉炎」や「歯周炎」といった、似たような症状が現れる口腔内トラブルが存在します。

歯肉炎や歯周炎は、歯周病とどのような関係があるのでしょうか。

今回は、歯周病を発症する原因や治療方法、放置するリスクについて解説します。

歯肉炎と歯周炎の違いについても解説しますので、歯茎のトラブルに悩んでいるという方は、ぜひご一読ください。

 

目次

 

歯周病とは?

歯肉炎や歯周炎について解説する前に、まずは歯周病の症状や発症する原因をご紹介します。

歯茎に腫れや赤み、痛みが現れているという方は、症状が当てはまるかチェックしてみてください。

 

歯周病の症状

歯茎や歯の周辺に炎症が起こる病気を「歯周病」といいます。

細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患で、初期には自覚症状が現れにくいものの、進行すれば最終的に歯を失ってしまうこともあります。

歯周病の主な症状は、以下の通りです。

・口腔内がネバネバする

・歯茎が赤く腫れている

・歯茎に痛みがある

・歯茎が下がって歯が長くなったように見える

・歯茎に刺激を受けると、血や膿が出る

・口臭が強くなった

・歯がグラついている

 

上記の症状が現れている方は、歯周病を発症している可能性が高いといえます。

初期の段階であれば適切な治療によって完治が期待できる病気なので、進行する前に歯科医院を受診しましょう。

 

歯周病の原因

口内には、常時400~700程度の細菌が存在しています。

細菌が存在しているだけではトラブルは起こりませんが、デンタルケアが不十分であると細菌が歯の表面にくっつき、「プラーク」と呼ばれる歯垢をつくり出します。

プラークの中で細菌が繁殖して毒素を出すことで発症するのが、歯周病です。

細菌はむし歯の原因にもなりますが、プラーク内には歯周病を発症させる細菌が多く存在するといわれています。

ブラッシングで完全にプラークを取り除くことは難しく、プラークが歯石といわれる物質に変化すると硬度が増し、さらに自力での除去は難しくなります。

歯周病を改善させたいという方は、歯科医院で歯のクリーニングを受けましょう。

歯の専門家である歯科医師や歯科衛生士であれば、専用の器具を用いて歯石を除去することが可能です。

歯科医院では適切なブラッシング方法を指導してもらうこともできるので、歯周病を発症していないという方も、定期的にクリーニングを受けることをおすすめします。

 

歯周病についてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

歯周病の原因とは?進行の流れや発症しやすい方の特徴、予防方法などをご紹介

 

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歯肉炎と歯周炎の違い

歯周病の進行について

歯周病は、主に「歯肉炎」と「歯周炎」の2つの段階に分かれて進行します。歯肉炎と歯周炎の違いをご紹介しましょう。

 

歯肉炎とは

歯周病の初期段階に起こるのが、「歯肉炎」です。

軽度の炎症が起こるという点が特徴で、歯茎だけに腫れや赤みが現れます。

歯肉炎は、ブラッシングが不十分であることによって発生する「プラーク(歯垢)」が原因で起こります。

歯肉炎の段階であれば、丁寧にブラッシングを行ったり、歯科医院で適切な治療を受けたりすることで完治が期待できますが、放置すれば次の段階にあたる「歯周炎」へと進行するでしょう。

歯肉炎の段階では自覚症状がないことも多いため、歯周病を発症していないか心配だという方は、歯科医院で定期検診を受けることをおすすめします。

 

歯周炎とは

歯肉炎が進行して、歯周病の中等度から重度の段階で起こるのが「歯周炎」です。

歯茎だけでなく歯を支える骨にまで炎症が広がり、腫れや痛み、膿や血が出ることもあります。

また、歯周炎の中でも特に症状が進行した「歯槽膿漏」の段階に入ると、歯がグラついて抜け落ちてしまうこともあるでしょう

周囲から口臭が強くなったといった指摘を受けた場合は、歯周病がかなり進行しているといえます。

歯周炎は自力での改善が難しく、歯科医院でも外科治療を行わなければ改善できない可能性があります。

歯周病を発症しているという自覚がある方は、早急に歯科医院を受診してください。

 

歯周病の治療方法

歯科医院での具体的な治療方法

症状を改善するためには歯科医院を受診することが大切ですが、歯科医院では具体的にどのような治療を受けられるのでしょうか。歯周病の主な治療方法を2つご紹介します。

 

歯周基本治療

進行の度合いにかかわらず、歯周病治療で最初に行われるのが「歯周基本治療」です。

プラーク(歯垢)の除去を行う「プラークコントロール」が最重要視されていて、歯科医院で専用の器具を用いて除去が行われますが、自宅でもデンタルケアを行う必要があります。

そのため、歯科医院では患者さんに対してブラッシングの指導も行います。

歯周基本治療では主にプラークコントロールが行われますが、他にも歯根面からの歯石の除去(スケーリング)や、グラつく歯の噛み合わせの調整なども行われるでしょう。

歯周基本治療によって症状が改善されれば、定期検診でのメンテナンスに移行します。

 

歯周外科治療

症状が進行して歯周基本治療だけでは改善が期待できない場合に行われるのが、「歯周外科治療」です。

歯周ポケットの中で細菌が繁殖し、プラークコントロールやスケーリングだけではプラークや歯石を除去できない場合には、歯茎を切開して歯周ポケットの奥深くまでアプローチする必要があります。

初期の歯肉炎の段階で歯周外科治療が行われることはありませんが、中等度以上の歯周炎まで悪化すると取られる処置です。

プラークや歯石の除去以外にも、顎の骨や歯根膜などの歯周組織が溶けてしまっていれば、歯周組織を再生させるために「歯周組織再生療法」が取られることもあるでしょう。

歯周組織再生療法には、特殊な人工膜を挿入する「GTR法」や、タンパク質の一種を歯根面に塗布する「エムドゲイン法」などいくつか種類がありますが、患者さんの症状に合わせて適切な方法が選択されます。

歯周基本治療同様に、症状が改善されれば定期検診でのメンテナンスに移行します。

 

歯周病の治療方法についてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

歯周病の治療法とは?進行度による治し方の違いや費用の目安をご紹介

 

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歯周病は放置しても大丈夫?

初期段階であればデンタルケアで改善が期待できる歯周病ですが、一度治ったと思っても繰り返し症状が起こります。

初期段階であっても、歯科医院で適切な治療を受けることが大切です。

丁寧なケアを行わず、さらに歯科医院でも治療を受けずに歯周病を放置してしまうと、歯茎だけでなく骨にまで悪い影響を及ぼします。

歯が抜け落ちたり顎の骨が溶けてしまったりする上に、全身の健康にも悪い影響を及ぼすこともあります。

歯周病菌が血流に乗って全身を巡ると、心臓病や脳梗塞といった疾患を発症するリスクが高まるのです。

妊娠中の女性の場合は、歯周病菌が母体の免疫システムに影響を与え、早産や低体重出産のリスクも高まるでしょう。

歯周病を発症していると気付いたら、早急に歯科医院を受診してください。

 

自宅でできる歯周病への対策方法

歯周病への対策方法

発症したらすぐに適切な治療を行うことが大切ですが、自宅でも歯周病対策を行うことができます。

歯周病の症状を改善したい、歯周病を予防したいという方に向けて、自宅でできる対策方法をご紹介します。

 

正しい方法でデンタルケアを行う

歯周病対策として最も有効な手段が、デンタルケアです。

プラークを除去することで歯周病を予防するだけでなく、歯周病の症状を改善することも可能です。

ブラッシングを行う際には、歯の表面だけでなく、歯と歯茎の間にも毛先を当ててプラークを掻き出すように磨きましょう。

力を入れてゴシゴシと擦ると歯茎が傷んでしまうので、鉛筆を持つような形で歯ブラシを軽く握り、小刻みに動かしてください。

歯ブラシだけではケアが難しい場合には、歯間ブラシやデンタルフロスを併用します。

正しいデンタルケア方法がわからないという方は、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士からブラッシング方法を指導してもらいましょう。

 

歯ブラシを定期的に交換する

歯ブラシを繰り返し使用すると、雑菌が繁殖して歯周病やむし歯を発症するリスクが高まります。

また、劣化した歯ブラシを使用し続けることで、形状が崩れてプラークの除去が難しくなります。

デンタルケアに使用するアイテムは、定期的に見直して新しいものに交換しましょう。

1日3回ブラッシングを行う場合は、1ヵ月に1回を目安に歯ブラシを交換します。

歯間ブラシやデンタルフロスを使用するのであれば、使い捨てを心がけましょう。

洗って繰り返し使用すると衛生面のリスクが上昇するため、大容量の製品を購入して、毎回新しいアイテムを使用することをおすすめします。

 

生活習慣を改善する

体の免疫力が低下すると細菌に対する抵抗力が低下して、歯周病を発症しやすくなります。

歯周病の発症・進行リスクを減少させるためには、規則正しい生活習慣を身につけることも大切です。

睡眠不足は自律神経の乱れを起こして免疫力が低下するため、毎日しっかりと睡眠時間を確保して質の良い睡眠を取りましょう。

免疫力は栄養バランスにも左右されることから、食事にも注意する必要があります。

ビタミンやタンパク質、鉄分やカルシウムなど、免疫力を高める栄養素を積極的に取り入れて、細菌に負けない体づくりを目指しましょう。

喫煙の習慣があるという方は、禁煙をおすすめします。

タバコに含まれるタールがヤニとして歯に付着すると、その上にプラークが付着しやすくなります。

また、タバコによって血流が悪化すると細菌に対する抵抗力も低下してしまうので、歯周病を改善・予防したい場合には、少しずつ本数を減らして禁煙を目指してください

 

歯周病に関するご相談はティコニーデンタルオフィスへ

初期の段階では自覚症状に乏しいものの、悪化すれば全身疾患を引き起こすリスクが高まる病気が歯周病です。

放置すると悪化する一方なので、歯周病の疑いがあるという方は、早急に歯科医院を受診しましょう。

歯周病に関するお悩みは、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。

当院では日本歯周病学会認定医である院長が、基本治療をはじめとした適切な治療方法で歯周病の改善に努めます。

関連ページ:ティコニーデンタルオフィスの院長・スタッフについて

 

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