歯列矯正といえばワイヤー矯正が有名ですが、近年注目を集めているのが「インビザライン（マウスピース矯正）」です。

インビザラインでは、歯並びだけでなく出っ歯も改善できるのでしょうか。

今回は、インビザライン矯正の症例や治療期間、費用目安について解説します。

インビザラインのメリットやデメリットもご紹介しますので、気になる出っ歯を改善したいという方はぜひ参考にしてください。

 

 

そもそも出っ歯とは、どのような状態を指すのでしょうか。

出っ歯の特徴や、出っ歯になる原因をご紹介します。自身があてはまるかチェックしてみてください。

 

出っ歯の特徴

上顎や上の前歯が前に突出している状態を「出っ歯（上顎前突）」といいます。

正常だとされる歯並びや噛み合わせは、上の前歯が下の前歯よりも3mm程度出ている状態を指します。

4mm以上出ている場合は出っ歯だと診断されることが多く、重度の場合は、口を閉じていても上の前歯が突出していると判断できるでしょう。

出っ歯であると見た目が気になるという点以外にも、口を閉じにくくなって口腔内が乾燥しやすくなります。

細菌が繁殖しやすい環境となってしまうため、むし歯や歯周病の発症リスクが高まります。

審美性だけでなく機能性も損なわれる可能性があるので、出っ歯が気になるという方は歯科医院へ相談してください。

 

出っ歯になる原因

出っ歯となるには、主に2つの原因が考えられます。

一つは、上顎の位置がズレていて、歯だけでなく顎そのものが突出している場合です。 そしてもう一つは、上の前歯が外側に向かって傾斜している場合です。

上顎の位置のズレに加えて前歯が傾斜するという、2つの原因が合わさったケースもあるでしょう。

顎の骨や歯の発達の仕方によって出っ歯になる方もいますが、生活習慣や癖によって出っ歯になることもあります。

口を開いていることが多い、うつ伏せで寝ることが多い、爪を噛む癖があるといった方は出っ歯になりやすい傾向にあるので、症状を改善するためには、自身の生活習慣や癖を見直すことも大切です。

 

歯列を整える程度であればインビザラインで対応できますが、歯を大きく動かすのであればワイヤー矯正を選択する必要があります。

インビザラインで出っ歯は改善できるのでしょうか。改善できた症例と、改善できなかった症例の両方をご紹介します。

 

改善できた症例

上の前歯が外側に向かって傾斜しているケースであれば、インビザラインで治療できます。

強く傾いている上の前歯の角度を内側に傾かせることで、出っ歯を改善します。

前歯だけにアプローチする場合は、全体矯正ではなく部分矯正で対応できるでしょう。

また、上顎の位置がズレている場合でも、軽度であればインビザラインでの治療が可能です。

上顎の位置がズレている場合は歯列全体を後方に動かさなければならないため、全体矯正が必要です。

部分矯正では対応できない可能性が高く、抜歯が必要となるケースもあります。

 

改善できなかった症例

顎の骨が大きく前面に突出しているような場合には、インビザラインでの出っ歯の改善は難しいといえます。

インビザラインで対応できるのは、あくまで歯を移動させる距離が短い場合に限ります。

骨格や歯列全体を大きく動かすことはできないため、上記のケースだとワイヤー矯正を勧められる可能性が高いです。

ワイヤー矯正でも対応が難しい場合は、さらに上顎を後方に移動させる外科手術を勧められることもあります。

インビザラインで改善できるか否かは歯科医師の腕前で決まることもあるので、治療は受けられないと自己判断するのではなく、一度歯科医院へご相談ください。

 

歯周病についてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

インビザラインとは？メリットやデメリット、費用相場や注意点について徹底解説

 

 

 

歯科医院でインビザラインでもワイヤー矯正でも出っ歯の改善が可能だと判断された場合は、どちらを選べば良いのでしょうか。インビザラインで治療を行うメリットをご紹介します。

 

矯正装置が目立たない

マウスピース矯正とも呼ばれるインビザラインでは、その名の通り、マウスピースを使用して歯並びを整えます。

マウスピースは透明であるため、装着していても悪目立ちすることはありません。

周囲に矯正していると気付かれにくいことから、営業職や接客業などの人前に出る機会が多い方にもおすすめです。

ワイヤー矯正とは違って金属を一切使用せずに矯正が行えるので、金属アレルギーをお持ちの方も治療を受けられます。

 

矯正装置の取り外しが可能

インビザラインには、矯正装置を自身の意志で取り外せるというメリットもあります。

食事の際に一時的に取り外せるので、硬いものや歯にくっつきやすいものも問題なく口にできます。

治療期間中に食べ物を制限されないという点も、インビザラインの大きなメリットだといえるでしょう。

矯正装置が邪魔となることはないため、デンタルケアが行いやすいという点も魅力です。

 

痛みや違和感が少ない

インビザラインで用いられるマウスピースは、1週間に0.25mm程度、歯を移動させることが可能です。

1枚のマウスピースで歯を移動させる距離が短いことから、痛みや違和感が出にくいというメリットもあります。

ワイヤー矯正は歯を大きく移動させられるという点が魅力ですが、その分、強い痛みや違和感が出ることがあります。

無理なく治療が行えるという点は、インビザラインならではのメリットだといえるでしょう。

 

インビザラインには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。実際に治療を受ける前に、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。

 

徹底した自己管理が必要

装着するマウスピースは、1週間を目途に交換する必要があります。

歯科医院で交換するのではなく、自身の手でマウスピースを交換する必要があるため、徹底した自己管理が求められます。

マウスピースを交換することを忘れてしまうと、治療計画通りにいかず、理想とする仕上がりが目指せなくなってしまうので、インビザラインの治療を受ける際には、自己管理を徹底するように心がけましょう。

 

長時間に渡る装着が必要

矯正装置を好きなタイミングで取り外せるという点がインビザラインのメリットですが、十分な治療効果を得るためには、1日20時間以上の装着が必要です。

基本的に食事やデンタルケアを行うとき以外は、マウスピースを装着しなければなりません。

外したまま忘れてしまうと治療が進まなくなってしまうので、特に外食の際や旅行先で装着し忘れることがないように注意しましょう。

 

治療できないケースがある

まだ新しい治療方法であるインビザラインは、症例数が少なく、経験が十分ではない歯科医師も少なくありません。

歯科医院によってインビザラインで対応できるか否かは異なるため、希望したからといって必ずしも治療が受けられるとは限りません。

インビザラインでの治療を希望される方は、まずは歯科医院で対応可能か否か確認すると良いでしょう。

治療経験が豊富な歯科医師を探して、インビザラインで出っ歯を改善できるか相談してみてください。

 

歯周病についてさらに詳しく知りたいという方は、下記ページもご覧ください。

インビザラインのメリット・デメリットを解説！後悔しないために知っておきたい注意点

 

 

出っ歯の改善のためにインビザラインを選択したのに、改善しないばかりか出っ歯が悪化してしまうことがあります。

ワイヤー矯正にもいえることですが、事前に立てられた治療計画に誤りがあると、希望する仕上がりにはなりません。

歯列を整えることに重点を置いて噛み合わせについてよく考えられていないと、結果的に歯列は整ったものの出っ歯は改善しないということが起こります。

治療計画の誤りは経験不足の歯科医師に多く、患者さんが対策できる問題ではありません。

治療経験が豊富な歯科医師を探すことが、インビザライン治療を成功させる鍵です。

インビザラインでの出っ歯の改善を希望する方は、症例数や実績数が多い歯科医院へ治療をお願いしてください。

 

 

 

出っ歯の改善にインビザラインを選択した場合は、治療完了までにどの程度の期間と費用がかかるのでしょうか。

最後に、インビザラインの治療期間と費用の目安をご紹介します。

 

治療期間の目安

インビザラインの治療にかかる期間は、元々の歯の状態や目指す仕上がりによって異なります。

また、抜歯を行う場合は、歯がなくなったスペースを埋めるために歯を大きく移動させる必要があることから、さらに治療期間が長くなるでしょう。

インビザラインの一般的な治療期間の目安は、以下の通りです。

 

インビザラインとワイヤー矯正の治療期間に、大きな差はありません。

上記はあくまで目安であり一人ひとり異なるので、具体的な治療期間を知りたいという方は、歯科医院へご相談ください。

 

費用目安

治療期間と同様に、元々の歯の状態や目指す仕上がりによって異なりますが、インビザラインの治療にかかる費用の目安は以下の通りです。

 

上記の他にも、歯科医院によっては、処置料金や調整料金がかかることがあります。

基本的にインビザラインは健康保険が適用されないため、全て自費扱いになるという点に注意しましょう。

前歯の出っ歯だけを改善したい場合には、全体矯正ではなく部分矯正で対応できる可能性があります。

極力費用を抑えたいという方は、歯科医師へ部分矯正で対応可能か確認してください。

 

近年人気が高まっているインビザラインですが、歯科医師であれば誰もが希望する仕上がりを実現できるというわけではありません。

歯列を整えるだけでなく、噛み合わせや抜歯の必要性の有無など、総合的に判断して治療を行う必要があります。

インビザラインで出っ歯の改善を希望する方は、ティコニーデンタルオフィスへご相談ください。

経験豊富な歯科医師が、患者様の歯の状態を確認した上で適切な治療計画をご提案します。

インビザラインに関する不安や出っ歯のお悩みなど、まずはお気軽にご相談ください。