歯を失った後、歯をおぎなって見た目を回復したり、噛めるようにする治療を欠損補綴(けっそんほてつ)と呼んでいます。主な治療法として、入れ歯、ブリッジ、インプラントの3つが挙げられますが、それぞれに違った特徴があります。
特に噛む能力に関しては大きな違いがあり、食事の際の満足度にも関わってきます。今回は欠損補綴のそれぞれの特徴、そして噛む力の違いについてご紹介していきます。
入れ歯
入れ歯は歯を1本失った場合から、全て失った場合まで、あらゆるケースに対応可能な治療法で、最も手っ取り早く行うことができる治療だと言えます。
保険だと治療費をかなり抑えて治療ができますし、歯をほとんど削らなくて済む、というようなメリットがありますが、違和感が強くてなかなか馴染めない方もいらっしゃいます。
また、部分入れ歯の場合だと、残っている歯に金具がかかるので、その歯に過剰な力がかかってしまったり、見た目に問題が出たりすることもあります。
噛む力に関しては全ての治療の中で一番弱くなります。
<噛む力>
天然歯の3割くらい
ブリッジ
歯を失った部分の両隣の歯を削り、橋を渡すようにつながった人工歯をかぶせて固定する治療法です。
歯を1本、または2本失った場合にはよく行われる治療法です。歯がたくさん失われると、残っている歯が支えられなくなるため、行うことができません。
メリットとしては保険で行うことができる、固定式である、ということが挙げられますが、残っている健康な歯をたくさん削らなければならず、大きな負担をかけてしまうというデメリットがあります。
<噛む力>
天然歯の6割くらい
インプラント
歯を失った部分にチタン製の人工歯根を埋め、その上に人工歯をかぶせる治療です。他の歯に負担をかけることなく、独立して歯を立てることができる治療法で、自分の歯のように噛める、また、見た目も自然な点が最大のメリットで、大変人気が出てきている治療法でもあります。
ただし、保険がきかずに高額、外科手術が必要、骨の状態や持病などによってはできない場合もある、きちんと手入れをしないと感染を起こして抜け落ちることがある、というデメリットもあります。
<噛む力>
天然歯の8〜9割
インプラントの場合、ほぼご自分の歯と同じ程度噛むことができ、なんでも問題なく食べることができます。ただし、一般的にはよく噛めないと言われている入れ歯の場合でも、しっかりとフィットした入れ歯であれば大抵どんなものでも不便なく食べられるようになります。
治療法を選ぶ際には、各治療法のメリットやデメリットをよく比較して理解し、ご自分にあった治療法を選ぶようにしましょう。